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2025年10月3日 | ブログ

断熱・気密ってなに?福岡の家づくりで知っておくべき省エネ性能の基本

断熱(熱を遮り逃がさないこと)と気密(すき間をなくし空気漏れを防ぐこと)は、快適で省エネな家づくりの基本です。断熱性能が高い家は外気との熱のやり取りが少なく、夏涼しく冬暖かい室温を保ちやすくなります。気密性も高めてすき間風を防げば、せっかく冷暖房で調えた空気を逃さず快適性が向上します。

福岡は夏は猛暑日が多く冬は曇天が増える気候で、暑さ寒さが意外と厳しい地域です。だからこそ高断熱・高気密な家づくりで、一年中エアコン効率が良く健康的に過ごせる室内環境を目指しましょう。

福岡の省エネ基準とZEH・HEAT20

2025年から日本では新築住宅に省エネ基準適合が義務化され、福岡など多くの地域では断熱等級4(UA値0.87以下)が最低ラインになりました。UA値(外皮平均熱貫流率)とは家全体の断熱性能を表す指標で、数値が小さいほど断熱性が高いことを意味します。

UA値0.87という現在の基準は従来よりかなり向上していますが、実は次世代の省エネ住宅基準にはまだ不足しています。例えば国が推進するZEH(ゼロエネルギーハウス)基準では、福岡地域でUA値0.6以下が目標とされています。これは2022年に新設された断熱等級5(UA値0.6以下)に相当し、長期優良住宅認定の新たな基準にもなりました。

さらに有志団体HEAT20が提唱するより高断熱な水準では、G1グレード: UA値0.56以下、G2グレード: 0.46以下などと定められています。UA値0.46は北海道並みの性能で、ZEH基準よりも優れた断熱性です。2030年頃にはZEHレベルが当たり前になるとも言われており、福岡でも将来を見据えて断熱等級6(UA値0.46以下)相当を目指す家づくりが推奨されています。

こうした高断熱住宅では気密性能(C値)も重要です。いくら断熱材を厚くしても、すき間だらけでは性能を発揮できません。C値とは家全体のすき間面積を表す値で、数字が小さいほど高気密です。一般的にC値1.0㎠/㎡を切ると高気密と言われますが、住宅性能にこだわるならC値0.5〜0.7以下を目標にすると良いでしょう。実際に福岡のある工務店ではC値0.7以下を最低ラインの目標に掲げています。

福岡の気候に合った断熱材の選び方

断熱材にはグラスウール、セルロースファイバー、発泡ウレタンフォーム、フェノールフォームなど様々な種類があります。それぞれ熱を伝えにくくする仕組みや施工方法が異なり、メリット・デメリットも異なるため、家づくりでは予算や気候に合わせて最適なものを選ぶことが大切です。

例えばグラスウールは安価で扱いやすい反面、湿気を含むと性能低下しやすいので高温多湿な環境では防湿施工が重要です。一方セルロースファイバーは調湿性があり、防音性能や防虫性にも優れるため、福岡のように湿度が高めの地域でもカビにくい利点があります。現場吹付けウレタンフォームは複雑な隙間にも充填でき高い気密・断熱性を発揮しますが、施工には熟練が必要です。フェノールフォーム板(断熱性能の高い硬質フォーム)は薄くても高断熱ですが、防火処理や気密処理を適切に行う必要があります。

また福岡のように夏の日差しが強い地域では、屋根の断熱強化がとりわけ重要です。屋根面は壁の2倍厚の断熱材を入れたり、熱を反射する遮熱材を使うことで、真夏の小屋裏や2階の温度上昇を抑えられます。実際に断熱等性能に力を入れる住宅会社では、遮熱機能付きの高性能断熱板を屋根に採用し、真夏でも日射熱が室内に伝わりにくい工夫をしています。

一方、冬の底冷え対策には床下断熱が重要です。福岡では基礎断熱(床下空間をまるごと断熱材で囲う工法)を採用するケースが増えています。基礎断熱なら外気が床下に入らず床冷えしにくい上、床下を蓄熱層として活用できるためエアコン1台で家全体を暖めやすく、床暖房なしでも冬を快適に過ごせるとの報告もあります。

断熱材選びでは耐久性も考えましょう。素材や施工精度によっては20〜40年程度で性能低下するものもあります。特に高温多湿な環境で施工不良があるとカビが発生し、本来より早く劣化してしまう恐れがあります。

信頼できる施工会社を選び、使用する断熱材の特徴やメンテナンスについて十分確認しておくことが大切です。高断熱高気密の家は計画的な24時間換気も必須になるため、換気システムの性能やメンテナンス性についても検討しておくと良いでしょう。

家づくりで押さえたい省エネ性能のポイント

福岡で快適な省エネ住宅を目指すなら、以下のポイントを押さえましょう。

  • 断熱等級5以上を目指す: 最低でもZEH基準であるUA値0.6以下(断熱等級5)を目標に、高性能な断熱仕様を計画しましょう。将来の資産価値や光熱費削減を考えても、断熱強化は有益な投資です。

  • 高性能な断熱材を採用: 夏の猛暑対策に屋根断熱を強化し、壁・床も地域トップクラスの断熱材で施工しましょう。断熱欠損を防ぐため、気密施工にも配慮した丁寧な施工が重要です。

  • 床下は基礎断熱に: 床下からの冷気侵入を防ぐ基礎断熱工法を採用することで、冬場の足元の寒さを大幅に軽減できます。床下全体を断熱することで床暖房に頼らない暖かい住まいを実現できます。

  • 断熱サッシ・玄関ドアを選ぶ: 開口部からの熱損失も無視できません。福岡でも北海道基準に匹敵する断熱等級の玄関ドア(D2/K2)や樹脂複合サッシを採用し、家全体の断熱バランスを高めましょう。

  • 気密測定を実施: 引き渡し前に気密測定を行い、目標のC値をクリアしているか確認しましょう。高断熱の性能を活かすには高気密が不可欠であり、C値0.7㎠/㎡以下を達成できれば理想的です。

以上の点に留意しつつ、福岡の気候風土に精通した施工会社と連携すれば、「夏は涼しく冬は暖かい」省エネ性能の高いマイホームが実現できます。断熱・気密に優れた家は光熱費の節約になるだけでなく、ヒートショック予防など健康面のメリットも期待できます。将来を見据えて、省エネ性能の基本をしっかり押さえた家づくりを進めましょう。

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